チタン一筋! 株式会社東京チタニウム 工場見学②

インタビュー/特別寄稿

2018/01/15

ものづくりに打ち込む生真面目な担い手たちに会った

世の中には様々なシゴトがある。経営者にお話を聞いて見て触れて、そのシゴトのことを伝えていきたい。
ー原子番号22 元素記号Ti チタン。
さいたま市岩槻区にの日本のチタン事業のパイオニア 株式会社東京チタニウム。
軽くて丈夫で錆びない、そのうえ生体適合性に優れた特性を備えたチタンという金属を扱う企業のことを紹介しよう。
②では実際に工場での作業の様子と医療用製品製造の区画を見せていただいた。

いよいよ工場見学だ

ショールームの下の階にはプール状の機械があった

研磨剤が混じった水の力で金属を切断する「ウォータージェット」という機械。 狭い口からすごい圧力で水が吹き出す。

【マスコットのパフちゃんはいつも社員とともにいる】

工場に入るときにパフちゃんをあしらった帽子を着用する。会長が飼っていたグレートピレニーズ「パフちゃん」は金属の硬く冷たいイメージを和らげる柔らかふわふわキャラクターで、随所で活躍している。

チタン・コンシェルジュとして。毎年干支の着ぐるみを着て年賀状に登場。もちろんユニフォームにも。いつも社員とともにいる。

 工場入り口 クレーンやフォークリフトを使って荷卸しをする

 検査室 社内で加工したものの寸法などの最終検査をしている

製造部 橋本真吾さん(7年目)にお話を伺った

その日に請けたものはその日に出荷する。径や素材によって直角に切るのも技術が必要だ。どんな依頼がきても対応できるようになるには2年くらいかかる。

切削液と水を混ぜたものと、ベルト上ののこぎりで切る

女性の従業員が小気味よくチタンの板をプレス切断していた

彼女はパート従業員だ。

長く厚みのある板を一人で運ぶので少し驚いている我々に「ステンレスに比べたら軽いんですよ、1年半くらい勤務していますが、慣れてきて楽しいです」と語ってくれた。

整然と管理されている、3Sが徹底されている

 扱う品目は多品種だ

 曲げた美しい板

 溶接のときにかぶる面だ

小島良太さん(2年目)製造部 板金溶接係

どんなときに仕事のやりがいを感じますか?

工業大学卒業後、会社に近いところに転居してきたという小島さん。

「難しいことを覚えて出来るようになった、失敗しないようになった、そういう時達成感があります。
2017年5月に溶接の資格を取りました。他にフォークリフト、クレーン、玉懸けの資格も取らせてもらいました。
次は旋盤の技能検定に挑戦したいと思っています」。

井出総一郎さん(1年目)

どんなときに仕事のやりがいを感じますか?

2017年4月に入社したばかりだ。

「製品の形がひとつひとつ違う。都度やりかたを変えてみたり、他の部署の人と連携してひとつの製品を作り上げるときもあり出来上がったときの達成感は大きいです」。

金井慶太郎さん 文系の学部出身 汎用旋盤の担当

どんなときに仕事のやりがいを感じますか?

中途入社。モノを作って実際にできあがるということに興味を持ちこの仕事に自分で飛び込んだという。
リクルートパンフレットにも登場している努力家。

 

鈴木允さん 製造部

どんなときに仕事のやりがいを感じますか?

図面どおりに作ることができた時の達成感。製造業のおもしろさはここにあるという。

さあ、東京チタニウムの夢が詰まった、医療用の製品を製造する区画に入る

医療分野への取り組みを、会社のパンフレットから紹介する

チタン材料は生体適合性がよくアレルギー反応を起こしにくい材料です。その為、直接人に触れるものが多い医療現場に適していると考えます。また、用具・容器に使用すれば軽量で耐腐食性も高いため、使用者の負担軽減や製品寿命の向上にもつなげられます。
東京チタニウムは、様々な医療用用途の製品に対応できるよう、各種サイズ・形状に加え、特殊形状の物もに対応しております。
(医療製品:ピンセット、インプラント小ねじ、頭蓋骨プレート、キルシュナー、ペースメーカーケース、人工骨、ボーンプレート、ボーンスクリュー、開創器、マイクロシザーズ、超音波ポロアダプター、人工歯根、手術台ケース、滅菌ケース、血管用クリップ、吸引管、マイクロサージュリー、ループスパイラル、その他鋼性小物)

東京チタニウムは医療用の製品加工の分野に向け大きな設備投資をしている

 今後、この区画に機械が並び、医療用製品の製造が進められていく

 防塵防汚のために入室時の注意を徹底している

 クリーン服、靴

 身体についたほこりをエアシャワー室に入って取り除く

さらに中には医療用製品の検査室がある

測定用の顕微鏡や硬度を測る機械などがある

この区画で、これから自社開発の製品がたくさん生み出されていく

この区画は、床や壁を二重にしてある。
近い将来、この部屋に製品専用の機械が何種類も並んでいく。クリーン服に身を包んだたくさんのパート従業員が作業に従事するようになっていくのだ。
クリーンルームの価値を生かして「洗浄と包装」という仕事を受注することも可能だ。

すごいトイレ!

人感センサーで、トイレは男女別々。

 靴を履いたまま履ける巨大なスリッパが備えられている

 水を流さなくてもOKな男子用便器(小用)災害時には力を発揮する。見学に来られた企業が参考にするトイレだ。

女性従業員も増えている。外国からの見学者もいる。たしかに、トイレを良くすると女性には人気が出るものだ。

 エアコンはうれしい

 もしも油で汚れがひどいとか火傷した場合に備えてシャワー室がある。パフちゃんはここにもいた。

番外編

 外の喫煙コーナーにはブログのプリントアウトしたものが読める

 新人研修のときの作品、あちらこちらで活躍中のメモリアル品

案を出し合って改善につなげる、職場を良くしていく

 傘立てには名前を貼ってみた、放置傘は減って効果あり

 チリンチリン、フォークリフトに注意喚起の鈴をつけてみた

来訪者ににこやかに接してくださった従業員の皆さんに感謝

3S(整理・整頓・清掃)が行き届いた事業所である。
若手の従業員たちの士気(モラール)を高める経営陣の心の砕き方には学ぶところが大きい。

既存の受託加工の業務を担う若手を育て任せられるようにしていき、自社製品の研究開発とのバランスをとりながらビジョンに向かって進んでいく。
医療分野の自社製品が製造できるようになる日はそこまで来ている。

株式会社東京チタニウム
〒339-0072 さいたま市岩槻区古ヶ場2-3-10
TEL 048-795-0470 FAX 048-795-0473

チタン一筋! 株式会社東京チタニウム 工場見学①