ワーカーズコープ・センター事業団①2015年4月『生活困窮者自立支援制度』が始まった

インタビュー/特別寄稿

2017/06/06

生きづらさを抱えている人たちと一緒に働く場や生き甲斐づくりをする

コンパスナビでは、生きづらさを抱えている若者への支援をしている方や、団体の紹介活動を行い、コンパスナビサイトにて紹介をしている。
ワーカーズコープ・センター事業団の事業は全国屈指の規模であることから、若者・生活困窮者の支援をしている中で(特に、若者支援で)どのようなご苦労や工夫や喜びがあったかをぜひともお聞かせいただきたいと取材を申し込むと快く応じてくださった。
東京統括本部本部長 馬場幹夫さんと、事業推進本部の扶蘓(ふそう)文重さんから多岐にわたりお話をお聞かせいただいた。

ワーカーズコープは、生活困窮者自立支援制度を焦点に、「当事者主体」「市民の制度参加」「地域づくり」「仕事おこし」の立場に立ち、困窮者支援の運動事業に全面的に取り組んでいる。

まず、ワーカーズコープとは何か?

「ワーカーズコープとは、協同組合の団体であり協働労働の協同組合(ワーカーズコープ)であり、労働者の協同組合ということであり、労働組合とは違うものです。
協同労働により仕事を創りだし、地域社会を振興することを目的としていて、理念、こだわり、原則は、自分たちで出資をして経営して働くということなのです」。

2015年4月は『生活困窮者自立支援制度』(※1)が始まった重要な年である。
ワーカーズコープ・センター事業団は、生活困窮者自立支援制度を焦点に、社会的困難にある人とともに活動を深く広く展開している。
日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会理事長 永戸祐三氏は、『全ての人々と日本社会のより良い明日のために生活と地域の必要』に応えきる実践に全力を」とのタイトルでビジョンを示している、冊子から紹介する。
(「協同労働の協同組合2015」より)

※1 生活困窮者自立支援制度
厚生労働省 生活困窮者自立支援制度-制度の紹介

2015年4月、「生活困窮者の自立と尊厳の確保」「生活困窮者支援を通じた地域づくり」を目標に掲げて、「生活困窮者自立支援制度」がスタートした。この制度は、生活困窮者を経済的困窮のみならず、社会的孤立の状態にある人をも対象に、「困窮者個人を救済するのみならず、『地域で支えられていた人』が『支える人』に回る、「困窮者支援は、地域のつながりを再構築し、地域の活性化につなげる」ことを目的に、福祉事務所が設置されている全国約900の自治体で施行されることになった。

ワーカーズコープは、生活困窮者自立支援制度を焦点に、「当事者主体」「市民の制度参加」「地域づくり」「仕事おこし」の立場に立ち、困窮者支援の運動事業に全面的に取り組んでいる。

馬場本部長は次のように強調した。

「私たちが目指す社会は共に働いて共に生きる社会です。目指すところは二つあります。
①コミュニティを創っていく②協働労働という働き方を社会に広げていく、という二つの目的で主に活動しております。
生活困窮者自立支援制度を焦点にして、生きづらさを抱えている人たちと一緒に働く場や生き甲斐づくりをしていこうということ、その焦点が地域づくりと位置づけています」。

次回②では若者支援の事業の始まりについて伝える。