せたがや若者サポートステーション

インタビュー/特別寄稿

2017/10/06

働きたいけど一歩を踏み出せない若者に 社会に出るまで一貫支援

せたがや若者サポートステーションでは、仕事に関する専門的な相談から、コミュニケーション訓練などのよるステップアップ、協力企業での就労体験などにより、働くことに向けた支援をおこなっている。

その人にあったやりかたで仕事を探す

「せたがや若者サポートステーション」を訪れた人が驚くのが場所。

「ここって学校?」そう、ここは2004年、池尻中学校と新星中学校が統合して三宿中学校になり、廃校となった旧池尻中学校校舎が「IIDものづくり学校せたがや」に生まれ変わった。1、2階の教室は、デザイン・映像などのクリエーター・デザイナーといった“ものづくり”事業者がオフィスとして活用している。

3階の奥のL字教室にあるのが、通称「せたがやサポステ」。

サポステとは、「地域若者サポートステーションの略で、働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者に対し、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への就労体験などにより、就労に向けた支援を行うところ」だ。

 懐かしい気持ちになる学校の踊り場

 学校の校舎だ!

 教室のひとつひとつが工房だ

 柔らかな光の中、工房の作品、商品が映える

 せたがやサポステは、ものづくり学校3階の南側に入り口がある

働いていない若者の理由はさまざま

「働いてみたけれどうまくいかなかった」「大学中退後、ひきこもりを経てずるずる日時だけがたってしまった」「働くには、なにからしていいかわからない」

大半の人が働くきっかけのないまま、あるいは失なったままで、時間が過ぎてしまっている。すぐに働くことに自信はないけれど、とにかく今を何とかしたいという思いを持っている。

「せたがやサポステ」では、それぞれがいろいろな思いをしてきたその思いを聴くことから始める。悩みの相談から、状況に合わせてひとつひとつ確かめていくプログラムで
理解のある企業と協力して
「きっかけ」をつくりだしていくことから始めているそうだ。

 

「仕事講話や適性の話を面談でしていくうちに仕事に向けて動き出す気持ちになりました」「私の状態に合わせてプログラムを紹介していただき、参加後はその振り返りもしてくれました。対人が苦手になっていた私ですが、プログラムで人と関わっている中で徐々に慣れていきました」と若者。

選べるプログラムで少しずつステップアップ

せたがやサポステで、受けることのできるサービスはさまざま。「働く」ことに対する意欲や自信をつけるためのプログラムや、コミュニケーションスキルアップのためのワークショップ・セミナー、職場見学・職場体験、地域イベントへの参加など、自主的に、あるいは地域の支援団体と連携した様々なプログラムあります。同じ建物内の「IIDものづくり学校」内で、職場見学をできるのも大きな特長だ。

 「せたがやサポステ」を利用しての感想を紹介しよう。

「スタッフの方が私のことを気にかけていただいたので、毎回励まされるような思いでした。就労支援はガンガン応募したり、こうしないといけない、こうならないとダメというイメージでしたが、どんな悩みでも耳を傾けてくれて、その上でアドバイスをしていただいたので、『人』として考えてくれているのだなと思いました。せたがやサポステのいいところは、何より想ってくれる人間味あふれるスタッフの方々です」

所長の話

「ここが希望の場所、あるいは、案外いいと思える居場所であってほしいです。誰かとつながっている、同じ思いの人たちが集うという安心感のある居心地のよさも大切にしたい。仕事に結びつくセミナーとか、コミュケーションアップというプログラムだけでは限界があります。何げないことばのやりとりで元気になってもらえることもあるので、インフォーマルな面も大切にしていきたいと思っています。まずは来ていただくことからです」。

● 問い合わせ先

「せたがや若者サポートステーション」

〒154-0001 世田谷区池尻2-4-5

IID 世田谷ものづくり学校内3階

TEL03-5779-8222

開所;火曜日〜土曜日(月曜日、祝日、年末休み)

10:00〜18:00