合同企業説明会の開催報告~職員さん、児童から感想をいただきました~

コンパスナビニュース

2018/08/22

2018年7月15日(日)児童養護施設等で生活をする児童に向けた「合同企業説明会」を開催しました

 児童養護施設、自立援助ホーム、里親などで生活している児童への合同企業説明会を開催した。対象者は主に埼玉県内、東京都内など首都圏の各施設で生活している高校生だ。高校在学中に企業の話を直接聴くことで、将来の選択肢を増やしてもらいたいと考え開催したものだ。
 猛暑の中、多くの子どもたちと職員さんたちが来場してくれた。

施設の職員さんと来た子どもたちが多かった。広い埼玉県の端の方から電車を乗り継いで一人で来た子もいた。子どもたちだけで連れ立ってやってきた子たちもいた。

 

日時:平成30年7月15日(日)11時~16時
会場:埼玉会館 2F ラウンジ 及び 3F B会議室
埼玉県さいたま市浦和区高砂3-1-4
対象:関東一都六県の児童養護施設等の児童を含む高校生全般
出展企業:医療、介護、福祉、建設、技術者派遣、美容、重機、洋紙卸売、飲食、運輸、物流、化学品製造販売、コールセンター、アウトソーシングなど

※就労支援事業=「未来へのスタート応援事業」

埼玉県では、児童養護施設等に入所中で就職を希望する者や、高校卒業で、児童養護施設等を退所して就職した者を対象に、就労・住宅・生活相談等を組み合わせた総合的な自立を支援する事業を行っている。

一般社団法人青少年自助自立支援機構(コンパスナビ)は2018年度、埼玉県からこの事業を受託し様々な事業を展開している。

この「合同企業説明会」はその一環として企画開催したものである。

 

 

 

社会的養護の下で育つ子どもたちに理解を持って、出展に賛同してくださった企業さんが16社も集まった

2階ラウンジでは16社のブースを用意した。企業さんが来場者の質問に答えていた

3階では、各社がプレゼンを行っている

各施設の施設長、職員さんに後日感想をお聞きしたところ、このような声が寄せられた

○A施設 職員さん
興味を持った会社があったようで、見学の申込みを学校を通して行った、就職できたらいいなとの声を持ち帰った。自分で動けるような子ではなかったのがどんどんうごけるきっかけになったイベントだった。

○C施設 職員さん
学校を通して見学の申込みを子どもたち自身で行っていた。成長出来るいい機会をありがとうございます。

○D施設 施設長
今回の企業にはぴんと来たものがなかったとの感想だったが、働くということへ一歩視野が広がったと子どもが言った。

○E施設 副施設長
まだ高校1年生、2年生で、働くということがわかっていない時期だったが、18歳で施設退所することが現実味を帯びて感じることが出来たようで、アルバイト探しを始めている。自分で履歴書を書いている。

○Fホーム 児童
高校を中退して措置延長下にある。社会的養護に理解ある企業さんがこんなにあることに希望を持てた。

○Gホーム 児童
社会的養護出身の先輩たちと親しくお話することができて、勇気がわいてきた

○H施設 職員さん
同行したら、普段の姿とは違って、ぐいぐい企業さんに質問している姿に驚かされた。

○I施設 職員さん
いままで、児童が知らなかったような企業さんが出展していた。興味のある職種、会社さんが見つかったようだ。

 

初めての試みで、課題も顕在化したところもあるが、工夫を重ねて良い取り組みに育てていきたい。出展企業の皆様本当にありがとうございました。

来場者の大半は高校生であったが、中学生、高校を辞めちゃった子、施設を退所し一度は就職したが現在就労先を模索中の子など、いろんな子どもたちが来てくれた。
埼玉県の担当者に見守っていただきながら手探りの運営であったが、猛暑の中、無事故で開催できたことに感謝したい。

また、数年前に社会的養護から巣立って社会で頑張っている先輩たち=ユースが、ブースを回った子どもたちと懇談して緊張をほぐしてくれたのが心強かった。

これから就労受け入れを考えている企業が見学にきていたことも付記する。
コンパスナビは彼らの自立に向けた諸活動に一層の工夫、努力をしていく所存である。