株式会社クレス様(さいたま市CSRチャレンジ認証企業)CSR活動ご紹介。

企業CSR活動紹介

2016/08/29

クレスの企業CSR活動の根本に流れているものは「継続」、そして「つながり」

「(株)クレス」は、昭和52年「(株)コンピューター・パックサブライ」として設立。平成20年には「(株)グロップ」にグループイン、平成24年に「(株)クレス」に商号を変更。主に、印刷・ビジネスフォーム印刷・デザイン・女性向けファンシー文具商品企画販売など、多岐にわたるビジネスを展開している。
 (株)クレスが取り組むいくつかの企業CSR活動をご紹介したい。その活動の根本に流れているものは「継続」、そして「つながり」。インタビューに応えてくれたのは取締役副社長 竹堂佳紀氏。

1.熊本県復興支援

熊本復興支援 さいたま市CSRを通じて、全国のCSR活動推進事業と連携しスピーディに!竹堂氏は屋根に登ってシートを張った。重しの袋の劣化する秋に張替えに行く。必要とされる支援は変化していくと語る。

震災直後、まず初めに取り組んだことは「物資による支援」だった。埼玉市同友会の呼びかけに、「必要なものを必要なだけ、すぐに届けること。それが大切」と同友会のネットワークを使い「飲料水が必要」との情報をキャッチ、すぐに動いた。

そして、ストーリーが始まった。何かが動き始める時、そこには出会いがある。CSRコンサルティング事務所「允治社」代表、泉貴嗣氏。自治体が企業CSR活動を認証する初めての取り組みである「さいたま市CSRチャレンジ企業認証制度」の企画立案を手掛け、現在さいたま市のCSR推進コーディネーターを努める。彼からの「広島県に面白い取り組みをしている企業があるのでご紹介しましょう」という声掛けで、次につながったのは「(株)ミチコーポレーション」社長、植田紘栄志氏。MAXIMUSのミュージアムグッズやぞうさんペーパー・カフェで知られる自然にこだわり、また過疎地の活性化のために尽力している広島県に本拠をおく企業の社長。会って話をし、その生きざまや事業の考え方を伺い、すぐに意気投合した。植田氏の「企業はワクワク、ドキドキする事業がどれだけ出来るか?どれだけ行動できるか?だよ。と助言をもらった。その後これから熊本支援をやっていくのだけれど一緒にやりませんか」という誘いに二つ返事で参加を決めた。竹堂氏は「被災地に赴き、実際に自分の目で確かめて、どんな小さなお手伝いであっても絶対にやってほしいというオーダーがあるところ、要請があるところに行って、自分で手を動かし体を動かしてお手伝いさせていただきたいと思いました」と語る。集まった企業は「SOLTUS」「ZEAL(ジールクルージング)」「SOKEN GROUP」「太陽住建」そして「ミチコーポレーション」と「クレス」。業態は様々だが、同じ感度を持った企業だ。

「クレス」以外は、すでに5月に第一陣として行っている。その際には、屋根の応急処置を行った。6月4、5日と熊本入りした。たくさんのボランティアが活動しており、支援する内容はないとの一部報道もあった。しかし実際にネットワークの中で聞いていくと、現実には困っている人たちがまだまだたくさんおられた。梅雨の季節、降り続く雨。しかし、屋根の工事業者が全然足らない。余震が続く中屋根に上って補修できる人の数は少なく、高齢者宅、老夫婦二人だけのお宅でどうすることも出来ないという3世帯の屋根の補修を、社長たち自身が屋根に上り行ったという。泉氏がつないだ各社の社長は、言葉だけではなく自らが動いて活動を推進する経営者の集まりだったのだ。そんな彼らだから、この活動はこれで終わらない。「継続的にやっていこうと話し合っているところです」と語る。こうした活動は、一社ではなく複数社が一緒に行っていることも、今後継続していく上では大きいことだという。そこからまた、人脈が広がり、つながっていく。現在、秋に3回目を行う予定だ。

震災後、時間が経つにつれて支援が必要とされる部分、あり方は変化していく。「クレス」としては、まずは会社の代表が先頭をきって現地の状態を確認しながら体を動かして一緒にやっていくという姿勢でいくこと。そして、「震災の心の傷」や子どもたちの生活を見据えて必要な支援をしていきたいと言う。また来期に向けては、復興義援金という形で募り、ただ預けるだけではなく何か具体的に形になるも、生かせるものにしていけたらと考えている。「従業員にも話し、関わってもらえる人が増えれば、一緒に行って活動したいと思っています」とも。今は、まだ一つの「点」だが、継続していくことに意味がある。「つながり」を大切に、点から線への活動にというこの活動は、まだ始まったばかりだ。

2.栃木県矢板市「棚田保全プロジェクト」

印刷会社がどうして農業?「もしかしたら将来、当社が行っている印刷、デザインや文房具を販売する仕事ってなくなるかもしれない、そうなったら困るんですが、でもその可能性はあるんじゃないかな、と思っています」。そして、何があったら生きていけるか、最後には何が残れば生きていけるかと考えた時に、「食べるものがあったら」という単純な発想がスタートなのだそうだ。

「僕は農業に興味がありまして、40歳になったら農業やりたいと思っていました。農業って体が動く若いうちにやるべきだって思っているんです」。そして、3年前から個人でやっていたことを会社でやったら皆のためにもなるんじゃないか、食べるものを自給自足出来る会社になっておけば先につながるんじゃないかな、ということで、以前からつながりのあった矢板市議会議員との縁で矢板市に田んぼを借りることになった。矢板市では、どこの田舎町でも抱えている悩みである「農業の担い手不足」という課題があった。

そこで棚田の保全を目的とした「棚田保全プロジェクト」を始めていた。企業が団体としてこの制度に参加するのはクレスが初の試みという。お米とじゃがいもを作っている。出来たじゃがいもは社員に配ったのだそうだ。「遠いので、まだ参加者は少なく年に3~4回しか行けていないのですが、農家の方のお世話になりながらやっています。将来は埼玉でもやりたいなと思っています」と語る。

「なあ、次は稲刈りに行くんだよな」「えー、実は虫は苦手なんですよ~」

只野さん、ノリノリで活動中

3.障がい者陸上部の活動支援

岡山県に本拠地を置く、障がい者陸上部「WORLD-AC]のオフィシャルスポンサーとして、メンバーの活動を支援している。リオ・デ・ジャネイロオリンピック代表佐藤選手も在籍しており、東京オリンピックにくけて更に活動支援を行っていく。学校や、施設等での講演会も行っている。

(株)クレスの親会社である「株式会社GROP(グロップ)」は岡山に本社を置き、物流やコールセンター、人材の請負などを主流とした様々な事業を展開しており、12のグループ会社を持つ。その一つ、岡山県内で一早く「特例子会社制度」を取り入れ障がい者雇用を通して社会貢献をしてきた「(株)グロップサンセリテ」が、以前より北京、ロンドン、そしてリオデジャネイロと三大会のパラリンピック日本代表となった松永仁志選手を支援してきた。

2016年3月1日、企業内陸上部として「GROP SINCERITE WORLD―AC」を発足させた。「GROP SINCERITE  WORLD―AC」は「さまざまなスポーツを通じて地域社会へさまざまな分野で貢献し、陸上競技において強化・育成を行いながら『岡山から世界へ』を合言葉に高い向上心をもって幅広い活動を行うことを目的として設立された」(グロップサンセリテHPより)。松永選手を選手兼監督とし、彼と共にやりたいという佐藤友祈選手(リオデジャネイロパラリンピック日本代表)と生馬知季選手の2選手を新たに迎えた。このように企業がスポンサーとして障がい者の部活動を支援するということは、日本では例が少ない。

「クレス」は、この「グロップサンセリテ」、親会社「グロップ」、そしてグループ企業である「クリエイティブ」「サンクルール」「グロップジョイ」「ヒューマンアイ」らと共にオフィシャルスポンサーとして活動を支援している。現在は、印刷・デザイン会社として横断幕や、活動資金を提供している。竹堂氏は語る。「陸上部が立ち上がった、というところまではかっこいいですが、大切なのは彼らが活動し続けられるように支援していくということです。そして同時に、私たち自身もこのような活動を通していろいろな人たち、企業とご縁をいただくことが出来ます。そういった部分でつなげていきたいと思います」。さらに、現在、2020年東京オリンピックを見据えて、東京都では100校程の指定校において年間30時間の「オリンピック授業」を行うとしており、すでに「クレス」にも講演の依頼が来ている。「なぜ彼らが障害をもってしまったのか、なぜ頑張ろうと思ったのか、彼らの生きざまを伝えていく活動が増えていけばいいと思っています」。と語る。

4.これからの「(株)クレス」

クレスは、来年設立40年を迎える。その歴史は決して良い時ばかりではなかった。だから苦労を知っている社員、苦労を乗り越えてきた社員がいる。それは、事業を進めていく上で大切な存在だという。

今、日本は少子化、そして「子どもの貧困」が問題になっており、次代を担う子どもたちにとって課題は多い。「クレスは、子どもたちに向けての商品を扱っています(ファンシー文具)。子どもたちのことは、事業にも影響のあることなのです」。だから、これからの子どもたちに対してゆくゆく何か出来れば。そして、そのためには事業がうまくいかなければならない、収益力を上げて、しっかりとした仕組みを作っていきたいと語る。

クレスは、また「埼玉県 多様な働き方実践企業」でもある。女性が働きやすい環境にあり女性社員も多い。また年齢層も様々で良いバランスを保っている。竹堂氏は、「多様な世代がいて、いろいろな意見があっていいんです。そこを正しく議論していくこと。人が一番大切なんです」と語る。社員の理解を深めつつ、これからも「継続」「つながり」を大切に進んでいくのだろう。

さいたま市CSRチャレンジ企業認証書

埼玉県 多様な働き方実践企業

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