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インタビュー/特別寄稿

インタビュー/特別寄稿

聖学院大学ボランティア活動支援センター物語②
ボランティアは他人を助けるのではなく 自分が助けられているのだ

聖学院大学ボランティア活動支援センター 所長
人間福祉学部 教授
 阿部洋治先生

聖学院大学では東日本大震災のボランティア活動を大きな契機として「支援をしたい人」と「支援を必要とする人」を結ぶ、聖学院大学ボランティア活動支援センターを2011年設立した。
 ボランティア活動の盛んな聖学院大学のなかでも、マスコミに注目されているのが、復興支援ボランティアセンターで、その活動拠点となるのが、チーム「SAVE」。スタディツアー、被災地支援プロジェクトなど学生にしかできないさまざまな活動を迅速におこなっている。センター長は阿部洋治先生。牧師として聖学院大学等で約50年、キリスト教の教育に携わる。前歴は女子聖学院中学校高等学校校長に話をきいた。

【概要】


7月8日(金)埼玉県上尾市にある聖学院大学のチャペルにて、熊本地震による被災地のためのチャリティーコンサートが開催された。女声コーラス「グリューン」の団員80人が「菩提(ぼだい)樹」「野ばら」などクラシックや「グリーンスリーブス」「赤とんぼ」などが藤田明先生の流麗な指揮で演奏された。最後に会場の参加者皆で「浜辺の歌」を心を込めて歌い、音響の素晴らしいチャペルには、復興の祈りの心が充ちわたった。集められた寄付は被災地に届けられる。聖学院大学は「聖学院大学ボランティア活動支援センター」中心にこれまでも地道な活動を展開している。阿部洋治所長が釜石市との交流など学生とともに活動されてこられた軌跡をレポートしていく。

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復興支援ボランティアチーム「SAVE」の主な活動は次の3つ。


①「桜プロジェクト」

2011年はクリスマスのオーナメントを被災地に持っていくクリスマス参加プロジェクトとして開始、2012年は学生は桜を満開にしたいという思いで「桜プロジェクト」を開始。今年は5年を迎え、募った募金で100本の桜の盆栽桜をつくり釜石のみなさんに届けるとともに、復興住宅前の敷地に植樹の後、お茶会を催した。

②「よいさっ!プロジェクト」

夏祭り「釜石よいさ」の踊りを習い、参加して3年目。今年は世聖学院大学、聖学院中学高等学校、埼玉県常盤高等学校の3校連携企画として実施。祭りで踊ったあとに被災地見学や交流会を持つ。

③大学学園祭「ヴェリタス祭り」で「釜石フェステイバル」と「ボラフェス」を実施。

釜石の歴史や文化などの目を向け、郷土料理を釜石の人に作ってもらった。

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聖学院大学ボランティア活動センター2012年度、2013年度、2014年度事業報告書
2014年度版には「聖学院大学ボランティア活動支援センターの実践と今後」をテーマに座談会の特集がある。
「ごく普通の学生がはじめの一歩をいかに踏み出せるようにサポートするか」「学生のやる気をいかに引き出すか」について“実際にやる気スイッチの入った学生×コーディネーター”の対談方式で発表している。・・・多感で多忙な大学生。必ずしも、最初からボランティアに対する意欲が高いわけじゃありません。けれど、ちょっとしたきっかけや声かけで、驚くような変化を見せてくれます。やる気スイッチは、学生自身が持っているのです」

釜石市民とともに大学生の第2のふるさとに。


震災プロジェクトに取り組むなか、場所を釜石に集約していった。その結果、毎年通ううちに地元の人と顔なじみも増えて、活動の輪が広がっている。

昨年からは津波発生時に速やかに避難するようによびかける「新春 韋駄天(いだてん)競争が始まった。節分の日に、東日本大震災時に1千人が避難した釜石市の日蓮宗千寿院をゴールに行われる競争だ。これに大学生も参加している。

聖学院の学生の意識が釜石を第2のふるさとと思うようになってくると、釜石市の若者にも変化が起こってきている。Uターンして故郷に帰ってくる若者が増加しているそうだ「よその人たちが釜石に来てくれているのに、自分たちが帰らないわけにはいかない」というわけだ。

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人のために尽くす精神性が脈々と流れている


このように聖学院のボランティアは力まず、脈々と自然体で行なわれている。

被災地にも変化が起こるが、ボランティアをしたことで自分を取り戻した学生もいる。S君は中学校から不登校だったが、大学生になってボランティアで釜石に行った。被災地の人に「ありがとう」と言われたことで、自分はお礼をいわれることをなにもしていないのに、受け入れてくれたということに感動する。他人が自分を認めてくれた一言で、自分で自分を認めるようになり、人生が変わったという。今度は助ける番、自分にできることをしようと決意したそうだ。

卒業後の現在はワーカーズコープで就労支援の仕事をしている。能力主義ではなく、フラットな人間関係を受け入れることを学んだ。ボランティアで成長したことを実感しているという。

2016年8月5,6,7,8日 釜石に訪問した!


大学HPより
「聖学院大学は、岩手県釜石市で、継続的に復興支援活動を行っています。「よいさっ!プロジェクト」では、釜石の夏の風物詩である「釜石よいさ」(夏祭り)への参加や、交流をメインとしたボランティア活動に取り組む予定です。

また、当プロジェクトは、埼玉県立常盤高等学校、聖学院中学高等学校、聖学院大学の3校連携企画として実施しています。

■日程:  事前学習会 2016年7月16日(土)13:00~17:00
ツアー   8月5日(金)朝~8日(月)夜 4日間
■活動内容:被災地見学(岩手県・宮城県)、釜石よいさ(夏祭り)への参加
「かまっこ★あそびーらんど」(こどもあそびひろば)の運営 他(予定)

釜石(聖学院)

大学に戻られた阿部所長に感想をお聞きした。

今回のボランティア・スタディツアーは、「釜石よいさっ ! プロジェクト3」というタイトルで、8月5~8日。
一日目は、避難した高台での高校生(当時小6)の経験談、避難場所となったお寺(千寿院)の住職のお話
二日目は、初参加者は震災学習列車(盛~釜石間)での被災状況についての見学、二度目以上の参加者は、世界遺産となった橋野鉱炉跡の見学、そして旅館宝来館の女将の体験談、午後は「いわて国体花いっぱい運動」花植活動、高校生は新生釜石教会牧師の体験談。そして、4時から、釜石よいさに参加して、学生生徒全員がよいさ踊り。
三日目は、早朝の日曜礼拝の後、イオンタウン釜石を会場に「かまっこあそび-らんど」「夏休み学び発見プロジェクト」。そして四日目は、気仙沼の高桑町を訪ね、この町にアイターンした若者との交流会
「盛りだくさんのプログラムでしたが、大変に密度の濃く、参加者一同深い学びを与えられて帰途に着きました」

2014年度 事業報告書刊行によせて
「釜石との関わりの背景にあるもの」


学生たちの釜石との関わりがきっかけとなって、人や社会に触れながら、自分自身と触れ合えるようになることへの願いが記されている。

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聖学院大学ボランティア活動支援センター物語①

聖学院大学ボランティア活動支援センター物語③

聖学院大学ボランティア活動支援センター物語④

聖学院大学

 

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